お話したひと
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代表:イ・ジュンファンさん
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シン・ウンジョンさん
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ディグちゃん
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Seesaw Market
家具からバッグへ、柔らかな素材を求めて
まず簡単に自己紹介とブランドの紹介をお願いいたします。
CHOROK studio(チョロックスタジオ)は、バッグをメインにして、バッグや帽子のように外出するときに使えるようなファッション雑貨を作っているブランドです。2019年にブランドをスタートさせました。
どのようなきっかけでCHOROK studioを始められたのですか?
元々僕たちはレザーブランドだったんです。レザークラフトからスタートして、ファブリック(布製)のバッグを作り始めたのが2019年なのですが、レザーのバッグだとバックパックを作るのが少し難しかったので、「ファブリックで作ろう」と始めたのが、このブランドの始まりでした。
なぜバックパックを作ろうと思ったのでしょうか?
まずレザーで作ることに対して限界を強く感じていたんです。硬くて角張ったものではなく、もう少し柔らかい何かを作ってみたいという思いが一番大きかったんですね。
バッグなら何が一番作るのが難しいだろうかと考えた時に、「バックパックなら誰もそう簡単には作れないだろう」という思いでスタートしたのですが、皆さんすごく上手に作っていらっしゃいましたね(笑)。とにかく自分にとって一番難しいバックパックから始めてみようという気持ちで、バックパックを作り始めました。

(代表は)大学でプロダクトデザインを専攻していたので、構造的な製品を作ることが好きなんだと思います。それに手で直接作ることも好きなので、バックパックの方へと自然と作られる製品が移っていったのではないかな、という気がしています。
バッグデザイナーの方にお会いするのは、はじめて!
どのようなきっかけでバッグデザイナーになられたのですか?大学でプロダクトデザインを専攻されたということですが、どういったきっかけでその道に進むことになったのでしょうか?
元々は家具デザインをやりたくて、家具や木工を主にやっていたのですが、最初にレザーバッグを作ることになったきっかけが、「木材よりももう少し柔らかい素材を使ってみよう」と始めてレザーを扱うようになったことで。さらに、「もう少し柔らかいものをやってみよう」とバックパックに行き着いて。
手に触れる素材の質感を求めていたら、ここまで辿り着いたのではないかという気がしています。学校では自動車やスマートフォンといったプロダクトデザインを学ぶのですが、学校で偶然にも起業できる機会に恵まれ、それで最初にスタートしたのがきっかけでした。

固いものと柔らかいもの、ジュンファンさんの中でどんな違いがあるんだろう?
少しデザイン的な観点なのですが、プロダクトデザインのように「削り出して作る」ことを主に学んできたので、未だにこういったファッションジャンルをデザインする時に、スケッチを描くことができないんです。
ですから全て手で作り、手で作った時の形をもとに製品化させていくプロセスが面白いと感じています。頭の中で想像して絵を描くことから始められればもっと楽なのですが、どのように面と面が出会うのか想像もつかないようなことに挑戦するのが好きなのだと思います。
......ジュンファンさんの頭の中をのぞいてみたい!
妻からの「宿題」を形にする
製品のアイデアを考える時、どのような会話を多く交わされますか?それともジュンファンさんお一人でアイデアを考えていらっしゃるのですか?
妻(ウンジョン)がアイデアや課題感をたくさん投げかけてくれて、僕はそのアイデアを形で解決していく役割なんです。例えば「バッグはこのくらいのサイズ感が必要なんだけど、軽くなきゃイヤだ。だけど、持ち手は細くて、でも収納力がないとダメ」とか、ややこしい課題です(笑)。
軽くて丈夫ということ自体が難しいんですよね。だから「軽くて頑丈なものを作る」ということに対する解決と言いますか、そういった宿題をもらっています。

これまで作ってきた製品の中で「一番難しかった」「一番作るのが面白かった」というものはありますか?
一時期、何度も議論していたことなのですが、気軽に持ち運べる軽やかなバッグがあったらいいなと思って、エコバッグを提案したんです。すると「エコバッグは作れない」と言うんです。「どうして? この地球上にこんなにエコバッグがあふれているのに?」と。(笑)
でも代表の頭の中では、「自分だからこそ作れるエコバッグ」を作りたいわけです。「CHOROK studioならではのエコバッグなら、どんな価値を込めるべきか、どんなフォルムであるべきか」と悩み始める。私には簡単でシンプルな問題なのに、代表にとっては大変な問題になってしまうんです。(笑)
だから、私たちはまだこの問題を解決できていません。(笑)来年には...と思っています。
シンプルなものこそ、むずかしいんだな...!
自由な発想と妥協のない道具としての形
ウンジョンさんが仰った「ジュンファンさんだからこそできること」、それはどんなことだとお考えですか?
うーん...2つのタイプが共存していると思っています。ある時はすごくチャーミングで遊び心にあふれていて、頭に浮かんだまま、手に任せてスッスッと作っていく。でも、デザインはすごくユニーク。そういう製品を作りたいという欲望があります。
DOGUラインの製品
一方で、構造的によく整えられていて、機能性にも忠実な、完成度の高い製品を作りたいという思いもある。だから、その両方を満たすために、気軽に作れるタイプは「DAILY(デイリー)ライン」に、そして「DOGU(道具)ライン」はアウトドア用品を中心に、特定の瞬間や役割を果たせる製品を作るラインとして分けました。
そうやって、自分の中にある自由な発想と、道具としての完成度、その両方を追求しながら、自分だからこそ生み出せるものを形にしていきました。
ウンジョンさんはジュンファンさんのお考えを深く理解していらっしゃるようですが、今おっしゃっていたことについてジュンファンさんはどう思われますか?
はい、完全にその通りです。はい(笑)。

ふたりの「バランス感」がとてもステキ!
なぜなら、私がこの人を理解できなければ、この人が作ったモノの良さも理解できないし、その価値をお客様に正確に伝えることもできないからです。
細かく紐解いてみると、実はすべての部分に意味や理由があるんですよね。一見、装飾に見えるプリーツも、実はバックパックの中で荷物を固定するためだったりする。パッと見はありふれたパーツでも、すべて理由があって、その位置や形になっているんです。
だから私は、しつこく質問して彼を困らせるわけです。(笑)「これはなんでこうなってるの?」「なんでこの素材なの?」「なんで他じゃダメなの?」って。そうやって、ひとつひとつ紐解いていくことを大事にしています。
バッグは、記憶を包む道具
CHOROK studioが最も大切にされている「価値」や「哲学(アイデンティティ)」とは何でしょうか?
使う人の想いや思考を受け止める「道具」あるいは「記録」としてのバッグ、という意味合いを持たせられたらいいな、という部分もあります。バッグを一番よく持ち歩いていた時期って、小学生、中学生、高校生、大学生と学生の頃ですよね。
やりたいことや好きなものを詰め込んで持ち歩くための道具としてそばにあった、当時の記憶や思い出があるからこそ、今もバッグを作っているような気もします。使う人が日々の暮らしを送る時に、そっと寄り添い手助けしてくれる「道具」だからこそ、そういった想いを優しく包み込めるブランドであれたらいいなという思いがあります。
作り手の想像を超えた、Peanut Bag
CHOROK studioのバッグについて、お客様からどんな声をいただくことが多いですか?
一番最初に作ったバッグが「Peanut Bag」なのですが、そのバッグは荷物をなるべく持ち歩かない時でも、綺麗なシルエットを保てるように設計したバッグだったんです。だけど逆に、「驚くほどたくさんの荷物が入る!」というフィードバックをいただいたことがありました。
左:NAGAJA Peanut Bag #6(Reflective Black Check)
まさに「ピーナッツ」!
私たちCHOROK studioを知っていただくきっかけになった製品なんですよね。お洋服に使われるような軽やかな素材で、少ない荷物を軽やかに持ち歩くことをイメージして作りました。でも、お客様は旅行のサブバッグとして、破裂しそうなくらい荷物をパンパンに詰めて使ってくださっていて(笑)。
「想像以上にたくさん入ります!」というレビューもたくさんいただき、すごく意外でした。でも、パンパンに詰めてもちゃんと持ちこたえているのを見て、「すごい!ちゃんと頑張ってるね!」って、二人ですごく誇らしく感じた思い出があります。
NAGAJA―「出かけよう」から始まる物語
そんなフィードバックを受けて、次の作品のアイデアに繋がった部分はありますか?
はい。元々「Peanut Bag」は、女性にフィットするサイズ感で設計していたのですが、大きめのサイズも作ってみたり、そこからさらにブラッシュアップして、男性の方でも気兼ねなく背負っていただけるようなバッグへとラインナップが広がっていきました。そのプロセスの中で生まれたのが「DOGU(道具)ライン」です。登山やハイキング、バックパッキングに出かける方々は、より多くの荷物を効率的に収納する必要があるので、「それなら本格的なバッグも作ってみよう!」と、段階的に発展させていく流れになりました。

「NAGAJA(韓国語で「出かけよう」という意味)」というコレクションもありますよね?そのコンセプトもアウトドア向けの製品となにか関係がありますか?どのようなきっかけで生まれたコレクションなのかぜひ聞かせてください。
これは、私たちがブランドの「キャッチフレーズ」を決めたいと思ったことが始まりでした。私たち二人は、性格やインドア・アウトドアの傾向が正反対なんです。
続きは後編記事をご覧ください。
CHOROK studioがつくるのは、ただ見た目の美しいバッグではありません。長く愛用される「バッグらしいバッグ」を追い求めながら、ひとつひとつの形や機能に向き合っています。
自由な発想で手を動かす代表・ジュンファンさんと、問いを投げかけ、その価値を伝えるウンジョンさん。性質の異なる二人の視点を重ねながら、CHOROK studioは少しずつその形を築いてきました。
今回のインタビューでは、バッグづくりの原点から、「バッグらしさ」へのこだわり、手仕事の温もり、そして「Better Life」をめぐる二人の考えまで。バッグのあり方を問い続ける、夫婦二人のものづくりに迫ります。